審査員 鹿野護

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鹿野 護
WOWアートディレクター
コマーシャル映像からインスタレーション、ソフトウェア開発まで幅広いデジタル表現分野のビジュアルデザインを手がける。主にプログラミングとコンピューターグラフィックスを組み合わせた表現に取り組み、これまで国内外の展示会や美術館にて、空間展示型の映像作品を多数発表。
2013-2014グッドデザイン賞審査員。
東北工業大学准教授。

WOW inc.
東京と仙台、ロンドンに拠点を置くビジュアルデザインスタジオ。CMやVIといった広告における多様な映像表現から、さまざまな展示スペースにおけるインスタレーション映像、メーカーと共同で開発するユーザーインターフェイスのデザインまで、既存のメディアやカテゴリーにとらわれない、幅広いデザインワークを展開。さらに最近では積極的にオリジナルのアート作品を制作し、国内外でインスタレーション展示を多数実施。作り手個人の感性を最大限に引き出しながら、ビジュアルデザインの社会的機能を果たすべく、映像の新しい可能性を追求し続けている。



審査員インタビュー


―クリエイティブ業界に入ったきっかけは何ですか?

二つあります。一つ目は大学時代にデザインを学んだことです。やはりこれが最大のきっかけだと思います。自分の感性を、社会のために役立てることができることに気づいたのです。もう一つはこれも大学時代ですが、コンピューターグラフィックスに出会ったことです。特に3DCGを使うようになって、自分の表現が大きく変わり、卒業後の仕事にも直結して繋がっていきました。


―未来の世の中を良くするアイデアは、いつどのように生まれると考えますか。

くらしの中の全ての場面にヒントがあると考えています。とても小さな問題だとしても、それに気づくことができれば、社会の多くの人の問題を解決することにつながります。また、くらしの中で感動したことや楽しかったことは、社会の人々を幸福にするための価値創造の種となるはずです。


―ものづくりの最大の魅力は何ですか。

完成したものが社会の中で機能していくことが魅力の一つであることは間違いないのですが、作り手からの視点として最大の魅力は、制作のプロセスにあるのではないかと思います。作るためにはどうしても自然や文化を知る必要が出てきます。その学びの行為と創造の行為が重なり合うところに、大きな魅力があります。



―今回のアワードにおいてどういう作品を期待しますか。

社会や時代を意識しつつも、本質的・普遍的な価値が感じられる作品に出会いたいです。また既存メディアの枠組みにあまり収まっていないもの、産業化がまだされていない、といった飛躍したものにも期待しています。



―クリエイターとしての心得を教えてください。

自分が作ろうとしているジャンルからではなく、かけ離れたジャンルから発想することが重要だと考えています。一見全く異なるものに共通点を見出し、それをヒントに新しい価値や概念を生み出せたら素晴らしいことだと思います。



―今後どのようなチャレンジをしていきたいと考えていますか。

現在、アイデアの発想支援や、プレゼンテーションをより効果的に行うためのツール開発に取り組んでいます。自分が直接作るのではなく、自分以外の多くの「作る人」を支援するものに挑戦しています。



―最後に応募者にメッセージをお願いします。

作品を作ることは条件によっては苦しいことでもありますが、本質的には未来を肯定する幸福な行為ではないでしょうか。ぜひ楽しみながら、より良い未来を創造してください。